2023年03月07日
石垣・擁壁補修・地震対策の専門家 ステップワークです。
3月になり過ごし易くなって来ましたね 🙂
天候もよく、作業もはかどります!
先日、弊社の技術者が石垣の積み直しと、石垣補強作業をおこなってくれました。
現地調査にお伺いした時にはすでに石垣が崩れてきて、危険な状態でした。
石垣が道路沿いあり、人通りも多く危み直しと補修をお任せ頂きました。
石積みの積み直しに使用する石は、既存ある石材を使用させて頂き修理をおこないました。
すでに積上げられている石垣と、これから積上げる石垣の石の大きさを確認しながら、選定した石の組合せのイメージをしていきます。
次に、正確に石積みができるように、石垣の中心や水平の高さを水糸を使って確認していきます。
石垣の両端に水糸を貼り合わせて、石垣の上段が同じ高さになるように石を組合せていきます。
また、石垣のコーナー部分は雨水や石垣の力がかかるため、特に強度が高くなるように慎重に石積みしていきます。
既存の石積みを使用したので、積上げするのは簡単ではありませんが、技術者にはとてもやりがいのある作業です。
高さや勾配、バランス調整のため石積み間にかませ石を入れていきます。
続いて、石垣の勾配をバールを使用して整えていきます。この工程は難関度の高い作業です。
勾配の調整が完了した後、現行規定の水抜き排水パイプを設置していきます。
水抜き排水は現行の法律では直径7.5㎝と決まっており、そのくらいの大きさのパイプ経がないと十分な水の排水ができないと考えられています。
土砂災害や崩壊対策には水抜き非常に重要です。
石を積上げただけでは、また大雨や地震などでも崩れてくる可能性があるので、石垣全体を接着注入していきました。
専用砂とセメント、接着混和材を攪拌した接着モルタルを機械で石垣の内部まで注入します。
注入が完了したら、表面を綺麗に仕上げていきます。
石垣の表面を洗浄して完了です。
崩れていた石垣も強度の強い擁壁に完成しました !
ビフォーアフター写真をご覧ください 😀
外観も綺麗な感じに仕上がりました 🙂
これで車や通行人の方が通っても安心です。
大雨や地震対策もできたので、良かったです。
これからもっと技術開発の向上を目指して頑張ります!
2023年02月10日
今回は寒冷地での石垣補強の施工事例をご紹介します!
昨年12月後半から今月2月中旬までの大掛かりな石垣補強工事でした。
お写真は補強前の石垣の状況です。
様々な箇所でひび割れが発生しており、危険度の高い状況でした。
石垣擁壁の判定調査をしたところ、水抜きパイプが設置されていない為、大雨の水圧でひび割れや変状を発生していると考えられました。
その為、補強工法を考える上で水抜きパイプ設置は必須であること、石垣のひび割れと変状をこれ以上悪化させないことが大切になってきます。
先ずは技術スタッフと工法について会議をおこない、排水性の向上と強度改善を重視する補強設計をおこないました。
石垣の上にある天端も縦ズレと呼ばれる症状が3㎝もありました。
3㎝よりも大きく変状している場所も…
そして、いよいよ補強工事の開始が始まりました。
先ずは石垣の状況を確認しながら、電動工具を使用して劣化したモルタルを除去していきます。
この日の最高気温はマイナス2度でした!しかし雪に負けずに作業していきます 😛
劣化したモルタルや異物除去は非常に重要な作業のため、慎重におこなっていきます。
また、同時に接着注入補強材が石垣の奥までしっかりと注入できるように、注入口も削孔していきます。
積雪量や降雨の多い地域では、水抜き排水パイプが大きな役割を果たしてくれる為、石積み擁壁に現行法のサイズの排水パイプが必要になってきます。
水がより多く抜けてくれるように、排水口を奥深く、さらに大きめの削孔工事をおこないます。
工具の先端も60㎝ほど削孔できる器具を使用しました。
しっかりと石垣の奥にある透水層が確認できるまで削孔してから、排水パイプを設置します。
水だけ排水できるように水抜き排水パイプ裏にフィルターを設置します。
フィルターは石垣裏の土砂が水と一緒に外部に排出しない効果があります。
土砂まで流出すると、地盤沈下や擁壁崩壊の発生原因となる可能性があるからです。
削孔した石垣の裏側から湧水が流れてきました。
このくらいまでしっかりと削孔する必要があります。
水抜き対策が完了したあと、次は石垣の強度を強くするために強力な接着注入補強をおこないます。
先ずは、材料を撹拌して練り混ぜていきます。
骨材の細かい接着性の良い細砂の混合することで注入の流動性をよくします。
そしてこの白色された秘伝の接着混和材を配合していきます。
硬化と接着性が非常に早く強いため、気象状況により攪拌混合率を調整していきます。
注入機材の吐出ホース先端側では注入技術スタッフが石垣の内部に接着注入補強をしていきます。
互いにタイミングや状況の声かけをして硬化と注入状況を確認して補強していきます。
接着注入補強の後に左官コテや刷毛引きで仕上げをおこないます。
最後に石垣を高圧洗浄して完了です。
しっかりと力強い石垣に補強できました。
石垣に発生していたひび割れや変状も補強して強固のものとなりました。
これで地震災害や大雨時の崩壊対策も安心です。
施主様にも喜びのお声をいただきました。
仕事冥利に尽きる瞬間ですね 🙂
これからも技術の向上と開発に向けて頑張ります!
より良い安心できる暮らしを提供できるように微力ながらお力になれればと思います。
施主様並びに近隣住民の方々、工事期間中はご協力頂きまして、誠にありがとうございました。
カテゴリ:ブログ
石垣・擁壁補強・地震対策の専門家 ステップワークです。
今回はお家の地震対策についてお話させていただきます。
みなさんは地震対策として、思い浮かべるのはどのような事でしょうか❓
お家の建物の耐震補強❓屋根の軽量化❓家具の固定❓
👆
上記すべて正解です 🙂
しかし、他にとても重要なことがあります。
それはお家を支えるコンクリートの基礎です。
基礎のコンクリートが劣化していると、地震時にお家がすっぽり抜ける可能性があります(コンクリート基礎が崩壊して、建物が基礎から分離して倒壊する現象)
では、劣化はどう見極める❓
①コンクリートの年数
②コンクリート基礎の構造
③コンクリートの中性化・塩害・アルカリ骨材反応(少し専門的なのでセルフチェックは難しいかも)
④ひび割れ➡今回はひび割れについてご説明します 🙂
写真のようなひび割れはかなり悪化しています。
コンクリート基礎のひび割れは、ヘアークラックと構造クラックがあり、ヘアークラックはひび割れ幅が0.3㎜以下、深さ4㎜以下と言われています。
ヘアークラックは構造クラックに比べれば、まだ症状は低いと思われますが、この3㎜以下の幅のひび割れが大きな問題に発展する可能性が...
構造クラックの写真
危険度がわかります。
コンクリートや基礎にこのようなひび割れがある場合は、エポキシ樹脂による注入補修をおこないます。
小さなひび割れでも注意が必要です。
ひび割れが発生している場所から、雨水や空気が侵入すると耐食性が失われて、酸化することでコンクリート内部の鉄筋が腐食して強度不足になってきます。
また、コンクリート内部の鉄筋が錆びて膨張し、基礎コンクリートを押し出してコンクリートが崩壊していきます。この現象をコンクリートの爆裂現象といいます。
そのため、コンクリートには補修が重要になってきます。
小さなひび割れは、エポキシ樹脂による低圧注入でひび割れ箇所を補修していきます。
コンクリートに傷口を治療して塞いであげるイメージです。
エポキシ樹脂をひび割れ奥まで注入したまま、約24時間そのままの状態でおいておきます。
ゴムの力で自動的に注入してくれます 🙂
注入後に綺麗に表面処理して完成です!
コンクリート基礎はお家を支える重要な部分です。
築年数が新しいお家でもひび割れ発生している場合もあるので、少しでも気にかけてメンテナンスする事で耐震対策になると思います。
ご参考になれば幸いです。